【4月15日 AFP】3歳のころに頻繁にたたかれた経験をもつ子どもは、5歳時には攻撃的な性格になる傾向が強い――。こうした研究結果が12日、発表された。

 この研究結果は、たたかれた経験がある子どもはIQテストで低い点数しかとれず、頻繁にたたかれることは不安症や行動障害などに関連しているとされていることや、暴力的または犯罪的行動やうつ、アルコールの過剰摂取などのリスクが高まるといった、これまでの研究を裏付けるものだ。

 米テュレーン大学(Tulane University)公衆衛生学部の研究チームは、全米で3歳児をもつ2500人の母親を対象に調査を行った。そのうち半数近くの母親が、過去1か月に子どもをたたいていないと回答。一方で、27.9%が1~2回たたいたとし、26.5%が3回以上たたいたと回答した。

 2年後に再び調査を行った結果、頻繁に子どもをたたいていたと回答した母親の子どもは、口論する、叫び声を上げる、けんかする、物を壊す、残酷になる、いじめを行うなど、より攻撃的な性格になっていたという。この結果は、家庭内暴力や親のストレス、うつ、薬物・アルコールの使用などの潜在的な交絡因子を考慮に入れた上でも当てはまったという。

 米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)は、いかなる理由であっても子どもをたたくことには強く反対しており、子どもが望ましくない行動をとったときにはタイムアウト(反省させるために、部屋などでしばらくの間静かにさせておくこと)や、子どもが好きなこと(ビデオゲームや携帯電話の使用など)を禁止すること、おもちゃを片付けなければおもちゃを取り上げるなどの方法を薦めている。

 この研究結果は、小児科専門誌「Pediatrics」の5月号に掲載される。(c)AFP