【3月23日 AFP】赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)は22日、薬剤耐性の結核が急速に広がっており、感染拡大を食い止めるには刑務所内での感染を抑え込むことが不可欠だと表明した。

 ICRCの刑務所内保健のコーディネーター、ライード・アブラビ(Raed Aburabi)は「結核は致死性がある。刑務所内に封じ込めておくこともできない。活発で回復力に富み、日に日に致死性が高まっている」と語った。

 過密環境や栄養失調、不十分な医療といった条件によって刑務所内は結核菌の繁殖や感染に最適な場所になりうる。発生率が刑務所の外の10~40倍になることもあるという。そして、看守や刑務所スタッフ、訪問者、収監者の家族、そして出所者らが菌を外に運びだすことになる。

 ICRCは結核を抑え込むために、アゼルバイジャンやグルジアなど世界数十か国の矯正当局と協力体制をとってきた。ICRCがアゼルバイジャンで活動を始めた15年前、1年間に結核で死亡する収監者は約300人に上っていたが、現在は20人程度に抑え込んでいる。また、同様の成功を収めたグルジアでは世界結核デー(World TB Day)の24日、当局がICRCから結核関連の活動を引き継ぐ。(c)AFP