【3月21日 AFP】米国の子どもの間で、肥満よりもさらに太っている超肥満が低年齢化しており、同じ年齢の普通体重児に比べて寿命が十年単位で短くなるリスクがあるほか、高齢者に多い疾患が20代でみられるといった問題が生じている。米国の非営利医療サービス団体、カイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)が18日、小児科専門誌「Journal of Pediatrics」(電子版)に発表した。

「超肥満」は米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)が09年に新たに定義した肥満レベルで、体重(キロ)/身長(メートル)の二乗で算出する肥満度指数BMIが、35を超えた場合。米国では男子の7.3%、女子の5.5%が超肥満に分類されるという。調査を行ったカリフォルニア州だけでも約50万人に相当する。

 12歳男子では体重82キロ、身長152センチより太っているとあてはまる。この身長体重では約50%の過剰体重ということになり、「あまりに太りすぎ」だと論文の主執筆者Corinna Koebnick氏は言う。そしてこう警告する。「ライフスタイルを思い切って大きく変えないかぎり、この子たちの寿命は平均よりも10~20年短くなるでしょうし、通常は40~60歳になってみられる健康問題が20代で出てきたりします」

 そうした健康問題とは、肥満との関連が知られている糖尿病や循環器系の疾患、脂肪肝などで、肥満児童の中ではほかの子どもよりも多く、早いうちからみられる。

 研究では、カリフォルニア州で2歳から19歳までの計71万1000人について、07年と08年の記録を検証した。米国の子どもの間でどの程度、超肥満が広がっているかを調べたものでは初めてだ。その結果、男子の7%、女子の5%が超肥満だった。人種別にみた場合では、黒人の10代女子とヒスパニック系の10代男子の12%が超肥満だった。

 また女子よりも男子のほうが超肥満に至る時期の低年齢化が進んでおり、女子12歳に対し男子は10歳だった。一方、女子は超肥満となるピークが2回あり、2回目は18歳だった。

 超肥満以外では19%が肥満(BMI30超)、37%が太りすぎ(BMI25超)だった。(c)AFP/Karin Zeitvogel