【3月3日 AFP】母親がパートタイム勤務している子どもの方が、母親がフルタイム勤務や就労していない場合よりも健康的な傾向があるとの研究発表が、学会誌「Journal of Social Science and Medicine」に掲載された。

 この研究は、欧米における子どもの肥満増加と母親の就労拡大との関連性を調べることを目的に、オーストラリア・メルボルン(Melbourne)の研究機関「Murdoch Childrens Research Institute」のジャン・ニコルソン(Jan Nicholson)准教授が、ニューイングランド大学(University of New England)、オーストラリア国立大学(Australian National University)と共同で実施した。

 研究チームは、「働く母親の子どもはカウチポテト族(テレビばかりみている人)になるか?」をテーマに、子ども約2500人の体重とライフスタイルについて、4~5歳時と6~7歳時の2度にわたって調査。その結果、母親がパートタイム勤務の子どもは、1週間あたりのテレビ視聴時間がほかの子どもたちより1時間ほど短く、より健康的なライフスタイルであることが判明した。テレビ視聴時間が短く、おやつの量も少なく、一方で運動量が多かったという。

 ニコルソン氏は、母親の就労と子どもの肥満増加との間に「関連性がみつかった」と述べ、運動して遊ぶように子どもにはたらきかけたり手料理をつくったりする時間が、フルタイム勤務の母親にはほかの母親と比較して少ない可能性があると結論づけた。

 しかし、一方で、就労していない母親の子どもが過体重になりやすい原因については、研究では明確な理由を発見することができなかった。ニコルソン氏は、(パートタイム勤務の母親は)「予定を調整し、睡眠時間を削り、自分のことや趣味に時間をあまり使わずに、子どもとの時間を守る」と述べ、パートタイム勤務の母親は仕事と家庭のバランスをとるのがより上手な可能性があるとまとめた。

 また、研究の結果、子どもの18~20%が過体重または肥満であることが明らかになった。(c)AFP