冷凍保存卵巣で世界初の2人目出産 デンマーク
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【2月25日 AFP】デンマーク在住の女性が、がん治療開始前に冷凍保存した卵巣を再移植する方法で、世界で初めて2人目の子どもを出産していたことが明らかになった。欧州ヒト生殖学会議(European Society of Human Reproduction and Embryology、ESHRE)の機関誌「ヒューマン・リプロダクション(Human Reproduction)」で24日、報告された。生殖可能時期にがん治療を受け、妊娠が困難になっていた女性にとって、画期的な朗報となりそうだ。
デンマーク・オーデンセ(Odense)に住むスティネ・ホルム・ベルクホルツ(Stinne Holm Bergholdt)さんは04年、27歳の時にユーイング肉腫と言われるがんの一種と診断された。
ベルクホルツさんは化学療法を始める前に、右側の卵巣の一部を摘出し冷凍保存した。左側の卵巣はすでに、その数年前に良性の嚢胞(のうほう)が発見されて摘出されていた。その後、がん治療には成功したが、化学療法を受けるとよく起こるように若くして閉経してしまった。
05年12月、冷凍保存されていた6つの薄い卵巣細胞片が、ベルクホルツさんの卵巣に移植され、その後、卵巣細胞は正常に機能し始めた。卵胞の発育を促すためにホルモン治療を数か月受けた後、ベルクホルツさんは再び妊娠し、07年2月に第1子の女児を出産した。
ベルクホルツさんは08年、体外受精を目指して不妊治療クリニックに通い始めたが、妊娠検査の結果、すでに自然妊娠していることが分かり、08年9月に第2子の女児を出産した。
冷凍保存した卵巣で生まれた子どもはこれまでに世界で7人いるが、同じ女性が2人目の子どもを生んだ例は今回が初めてとされる。
ベルクホルツさんの担当医であるコペンハーゲン大学病院(University Hospital of Copenhagen)のクラウス・イディン・アンデルセン(Claus Yding Andersen)教授は、「今回の結果は、卵巣の冷凍保存が生殖能力の維持方法として有効なことを立証するもので、卵巣を危険にさらす可能性の高い治療を受ける女性のために、臨床治療法としてこの技術を確立すべきだ」と語った。
アンデルセン教授によると、ベルクホルツさんは現在、今度はさらに妊娠しないための措置さえ受けているという。(c)AFP
デンマーク・オーデンセ(Odense)に住むスティネ・ホルム・ベルクホルツ(Stinne Holm Bergholdt)さんは04年、27歳の時にユーイング肉腫と言われるがんの一種と診断された。
ベルクホルツさんは化学療法を始める前に、右側の卵巣の一部を摘出し冷凍保存した。左側の卵巣はすでに、その数年前に良性の嚢胞(のうほう)が発見されて摘出されていた。その後、がん治療には成功したが、化学療法を受けるとよく起こるように若くして閉経してしまった。
05年12月、冷凍保存されていた6つの薄い卵巣細胞片が、ベルクホルツさんの卵巣に移植され、その後、卵巣細胞は正常に機能し始めた。卵胞の発育を促すためにホルモン治療を数か月受けた後、ベルクホルツさんは再び妊娠し、07年2月に第1子の女児を出産した。
ベルクホルツさんは08年、体外受精を目指して不妊治療クリニックに通い始めたが、妊娠検査の結果、すでに自然妊娠していることが分かり、08年9月に第2子の女児を出産した。
冷凍保存した卵巣で生まれた子どもはこれまでに世界で7人いるが、同じ女性が2人目の子どもを生んだ例は今回が初めてとされる。
ベルクホルツさんの担当医であるコペンハーゲン大学病院(University Hospital of Copenhagen)のクラウス・イディン・アンデルセン(Claus Yding Andersen)教授は、「今回の結果は、卵巣の冷凍保存が生殖能力の維持方法として有効なことを立証するもので、卵巣を危険にさらす可能性の高い治療を受ける女性のために、臨床治療法としてこの技術を確立すべきだ」と語った。
アンデルセン教授によると、ベルクホルツさんは現在、今度はさらに妊娠しないための措置さえ受けているという。(c)AFP