【2月19日 AFP】人生に明るい展望を持っている人ほど心臓病になりにくい――。このような研究成果が、18日の医学誌「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル(European Heart Journal)」に発表された。気力が充実していると心臓の強さが増すという通説を支持する客観的なデータが示されたのは初めてだという。

 米ニューヨーク(New York)の心臓血管行動保健センター(Center for Behavioral Cardiovascular Health)のカリナ・デービッドソン(Karina Davidson)博士らの研究チームは、カナダのノバスコシア(Nova Scotia)州の男女1739人について、感情の動きと心臓の健康状態を10年以上にわたって調査した。

 調査では、対象者の自己申告と臨床的な観察によって、抑うつ、攻撃性、不安感などの「悪い感情」と、喜びや幸福感、情熱、満足感などの「良い感情」を5段階で評価。その結果を年齢、性別、心臓病のリスク要因を考慮に入れて分析した。

 すると、「良い感情」が1ポイント高くなるごとに、心臓病になるリスクが22%減少することが分かったという。結果について研究チームは、良い感情を持つ人はリラックスしてしっかり休息をとることができるため、ストレスからの回復が早いのではないか、などの仮説を立てている。

 もっとも、心臓病予防に役立つ心の持ち方について医師が助言できるようになるには、さらなる研究が必要だという。(c)AFP