【2月13日 AFP】子ども時代に肥満児だった場合、55歳になる前に死亡するリスクが高まるとの調査結果が10日発行の医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された。

 調査は、糖尿病を発症していない5~20歳のアメリカ先住民の子ども4,857人を対象に長期間にわたり実施されたもので、うち166人は55歳になる前に死亡した。死因は、病気やアルコール依存症、薬物使用が原因の突然死、いわゆる「内因性死亡」だった。

 また調査の結果、肥満児だった人の内因性死亡率は、子ども時代にやせていた人の約2倍にのぼることも分かった。研究の執筆者は子どもの肥満率が増えている現状を受けて「世界規模で肥満率が上昇した場合、近年伸びている平均寿命が短かくなる可能性がある」と警告している。

 この調査結果は子どものうちに肥満防止に取り組む重要性を強調しており、結果的にはミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人が前日に立ち上げを発表した児童肥満対策キャンペーンを支持する形となっている。

 ミシェル夫人は同キャンペーンの目的に「これから生まれる子どもたちが健康な体重の成人になれるよう、児童肥満問題を解消すること」を掲げている。

 BMI(身長と体重から算出する肥満度指数)に基づいて計算した場合、米国では6~19歳の5人に1人が、「肥満」を示す30以上の指数となるとされている。(c)AFP