乳がん治療、抗うつ剤併用にリスク
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【2月10日 AFP】乳がん患者が抗うつ剤を併用すると、標準治療の有益な効果が減じるか帳消しにされてしまうという研究結果が、9日発表された。
乳がん患者に対しては、治療薬のタモキシフェンのほかに、闘病ストレスに対処する目的で抗うつ剤のパロキセチンも長期間処方されることが多い。
タモキシフェンは、最も一般的なエストロゲン受容体陽性型の乳がん患者の生存率を大幅に向上させることができる。だが、タモキシフェンが効果を発揮するには、肝臓により活性代謝物に変換されなければならない。この物質は、タモキシフェンが消化されても体内に残留する。
神経伝達物質セロトニンの分泌を促すパロキセチンなどの抗うつ剤を同時に服用した場合、先に述べた作用が妨げられる可能性が以前から指摘されてきた。
■カナダの研究
カナダの研究機関ICES(Institute for Clinical Evaluative Sciences)の研究チームは、1993~2005年にタモキシフェンによる治療を受けた乳がん患者2430人を対象に、医療記録を調べた。
抗うつ剤(多くはパロキセチン)も処方されていたのは全体の30%。タモキシフェンとパロキセチンの併用は、治療5年後の死亡率が20人中1人と、長期的に見て死亡リスクを増加させていることが分かった。
研究チームは、薬の相互作用が世界的に過小評価され、そのために命が脅かされているケースもあるが、未然に防ぐことは可能としている。(c)AFP
乳がん患者に対しては、治療薬のタモキシフェンのほかに、闘病ストレスに対処する目的で抗うつ剤のパロキセチンも長期間処方されることが多い。
タモキシフェンは、最も一般的なエストロゲン受容体陽性型の乳がん患者の生存率を大幅に向上させることができる。だが、タモキシフェンが効果を発揮するには、肝臓により活性代謝物に変換されなければならない。この物質は、タモキシフェンが消化されても体内に残留する。
神経伝達物質セロトニンの分泌を促すパロキセチンなどの抗うつ剤を同時に服用した場合、先に述べた作用が妨げられる可能性が以前から指摘されてきた。
■カナダの研究
カナダの研究機関ICES(Institute for Clinical Evaluative Sciences)の研究チームは、1993~2005年にタモキシフェンによる治療を受けた乳がん患者2430人を対象に、医療記録を調べた。
抗うつ剤(多くはパロキセチン)も処方されていたのは全体の30%。タモキシフェンとパロキセチンの併用は、治療5年後の死亡率が20人中1人と、長期的に見て死亡リスクを増加させていることが分かった。
研究チームは、薬の相互作用が世界的に過小評価され、そのために命が脅かされているケースもあるが、未然に防ぐことは可能としている。(c)AFP