【2月5日 AFP】有害化学物質メラミンを混入した粉ミルクの問題が再燃している中国で、政府が報道各社に対し同問題をめぐる独自報道を禁止したと、国際ジャーナリスト連盟(International Federation of JournalistsIFJ)が4日、明らかにした。

 IFJは地元筋の情報として、広東(Guangdong)省の検閲官が報道各社に対し、「当局が公式に発表した情報のみ」を用いるよう命じたという。

 IFJは今週出した報告書のなかで、中国が国内外の記者への弾圧を強めているとの警告を行っている。

 2008年に大きな社会問題となったメラミン汚染は、粉ミルクのたんぱく質含有量を高く見せかけるために食品企業らが粉ミルクにメラミンを添加したことが発端で、汚染は粉ミルクを原料とする食品などにも拡大し、乳幼児6人が死亡、中国全土で約30万人の健康被害が明らかになった。

 だが、前月になって、事件後に廃棄されたはずのメラミンが粉ミルクに混入されて販売されているとの複数の報道があった。国営メディアによると、警察当局3日、メラミン入り粉ミルクを製造販売したとして、渭南(Weinan)の食品会社の社長ら4人を逮捕している。(c)AFP