【2月4日 AFP】近い将来、遠視治療でめがねに替わる薬物療法の道が開かれるかもしれない-オーストラリア眼科研究センター(Centre for Eye Research Australia)の研究チームが2日、遠視に関連する遺伝子を発見したことを発表した。

 メルボルン(University of Melbourne)大学付属同センターのチームは、肝細胞増殖因子(HGF)研究から視力に関する生物学的メカニズムに対する重要な考察を得た。研究を主導したポール・ベアード(Paul Baird)によると、遠視治療において選択できる方法は現在、めがねかコンタクトレンズ使用か、レーザー治療しかない。

 チームでは遠視に関連する遺伝的変異を突き止めるため、オーストラリアの成人551人のDNAを分析した。

 遠くにあるものははっきり見えるのに、本を読むといった手元の作業が困難という遠視の原因は知られていないが、世界中で遠視は増加傾向にある。ベアード博士は、遠視の原因には遺伝的要素と環境的要素が組み合わさっており、HGFは眼の成長過程で遠視を引き起こす可能性を示す遺伝子として特定された初めての遺伝子だと述べている。(c)AFP