【1月16日 AFP】スペイン南西部で2003~06年に発生した突然死668件のうち、3%以上に当たる21件の直接死因がコカインであるとの調査報告が、13日発行の医学専門誌European Heart Journalに掲載された。

 欧州では近年コカインの消費量が急増しているが、今回の結果から、「コカインを気晴らしに少量使用する程度なら危険ではない」といった考えは捨て去るべきだと、調査を行ったスペインの医学研究チームは指摘している。コカインはごく少量を使用するだけであっても安全ではないという。

 調査の結果、コカインで死亡する場合、心臓や呼吸器系の異常が起きたケースが大半だった。

 スペインにおけるコカイン使用者の割合は、英国、イタリアなどその他の欧州の国でもほぼ同じと推定されるため、スペイン南西部でのコカイン関連の突然死の発生割合は、欧州の他の国にもあてはまるはずだと、研究チームを率いるセビリヤ(Seville)にある法医学研究所Institute of Legal MedicineJoaquin Lucena氏は考えている。

 研究チームによると、薬物乱用と突然死の関係を詳しく調べるため、突然死した人の血液検査と尿検査を行う必要があるという。

 欧州は成人のコカイン使用経験者が1200万人近くいるとされている。少なくとも1回コカインを使用したことがある人の全人口に占める割合はスペインで7.0%、英国で7.7%、イタリアで6.6%と、いずれも5%を超えている。(c)AFP