【1月5日 AFP】米カリフォルニア州医事局(California Medical Board)は4日、前年、体外受精で8つ子を出産したナディア・スールマン(Nadya Suleman)さん(34)に体外受精処置を施した医師を、「重過失」で懲戒処分する申し立てを提出した。

 スールマンさんは、前年1月に8つ子を産み、「オクトマム(8つ子ママ)」のニックネームでメディアの注目の的となった。

 体外受精と胚移植を処置したのは、ビバリーヒルズ(Beverly Hills)の「West Coast IVF Clinic」医院のマイケル・カムラバ(Michael Kamrava)医師。専門家らはこの医療行為に異議を唱えており、実行したカムラバ医師に対して非難が集まっていた。

 米生殖医学会(American Society for Reproductive MedicineASRM)のガイドラインは、スールマンさんの年齢の女性が体外受精で一度に子宮内に戻す受精卵(胚)の数を2個までに限定している。

 さらに、カリフォルニア州医事局は、体外受精を繰り返し要望したスールマンさんにメンタルヘルスの専門家を紹介しなかったことについても、カムラバ医師に過失があるとした。

 米生殖医学会は前年9月にカムラバ医師を除名したものの、医療免許は剥奪されなかったため、カムラバ医師はそれ以後も治療を続けている。

 今回の州医事局の申し立てで、カムラバ医師の医師免許がはく奪または停止される可能性もある。審問の日程はまだ決まっていない。(c)AFP