【12月17日 AFP】アルツハイマー病を患うリスクは、食欲抑制ホルモンのレプチンの量に関係している可能性があるとの研究結果が、16日の米内科学会誌「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)」に発表された。

 米国立心肺血液研究所(National Heart, Lung and Blood InstituteNHLBI)のフラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)プロジェクトで、レプチンの量が多いこととアルツハイマー病リスクが低いことに相関性が確認できたという。

 レプチンは体内の脂肪細胞で生成され、食事後に脳に信号を送って食欲を抑制する働きを担っている。

 最近の研究では、レプチンが動物の記憶機能を向上させることもわかっており、研究者らは今回の発見はこれらの結果と一致するとしている。

 今回の研究では、認知症ではない年配者数百人を対象に、レプチンの量を測定し、12年以上にわたり経過を追った。その結果、アルツハイマー病を発症したのは、レプチンの量が最も少なかったグループでは25%、レプチンの量が最も多かったグループではわずか6%だった。

 研究チームは、レプチンレベルはアルツハイマー病の診断における1つの指標になると同時に、新たな治療法として活用できる可能性もあると指摘している。(c)AFP