【11月30日 AFP】ナノディスクと呼ばれる直径わずか100万分の1メートル、厚さ600億分の1メートルの超極小磁気ディスクを使ってがん細胞を破壊する実験に英米のチームが成功し、29日付の英科学誌誌「ネイチャー・マテリアルズ(Nature Materials)」に発表した。

 実験では、鉄・ニッケル合金製の磁気ディスクを使用し、がん細胞の細胞膜を攻撃した。研究チームに参加した米アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)のエレーナ・ロズコバ(Elena Rozhlova)博士によると、10分でがん細胞の90%が自己破壊したという。

 英キール大学(Keele University)のジョン・ドブソン(Jon Dobson)教授は注解で、磁気ディスクを直接、腫瘍(しゅよう)に当てる抗体として用いる可能性を指摘。「化学療法などの全身性治療では避けられない副作用もなく、洗練された方法で迅速にがん細胞のみを破壊できる」と述べている。(c)AFP