【11月4日 AFP】目の前でくしゃみをされると、米国民は政府の景気対策よりも医療への財政支出を優先するようになる――。2日に発表された調査でこのような結果が明らかになった。

 調査を行ったのはミシガン大学(University of Michigan)のNorbert Schwarz教授(心理学)らの研究チーム。新型インフルエンザ(H1N1)の流行が始まってから1か月ほどの今年5月末、ミシガン(Michigan)州のショッピングモールを訪れた約100人に、13億ドル(約1200億円)の政府予算をインフルエンザのワクチン製造と環境関連の雇用創出のどちらに投じるべきか尋ねた。

 その際、一部の人の聞き取り調査中に調査員にわざと、米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)が奨励するように腕を曲げて肘の裏側で口を覆って、くしゃみをするまねをさせた。

 その結果、ワクチン製造と答えたのは通常のグループでは17%だったが、目の前で調査員にくしゃみのまねをされたグループでは48%に上った。

 Schwarz教授は、調査当時、新型インフルエンザの流行が大きく報じられ、くしゃみによって自分の健康に対する懸念が高まり、予算の使い道に求める優先順位が変わったのだと指摘する。「新型インフルエンザが大きく報じられていなかったら、一瞬いやな顔をされるくらいだっただろう」(c)AFP