【10月30日 AFP】米国人は慢性的に睡眠不足で、これは一般に認識されている以上に重大な健康問題だとの研究結果が、29日の「Morbidity and Mortality Weekly Report」(罹病率・死亡率週報、MMWR)に発表された。

 米各州の保健当局は2008年、成人40万人を対象に、「過去30日間に、十分な睡眠や休息が取れなかったと感じる日数」について、電話調査を行った。

 米国の疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)がその調査結果を分析したところ、米国人の3人に1人が、一般に疲れをとるのに最低限必要だとされている7時間の睡眠を確保できていないことが分かった。十分な睡眠が取れなかった日はないと回答したのはわずか30%で、十分に眠れなかった日が30日以上続いていると回答した人も10%いた。

 この調査で、慢性的な睡眠障害がある人が約7000万人にのぼる可能性があることも明らかになった。さらに、睡眠不足には居住地、年齢、人種、性別、社会的地位、学歴などにより、特徴があることも分かった。

 最も睡眠が不足しているのは南東部に住む人種的・民族的マイノリティの人たちだという。学歴については、高校卒業資格を持っていない人の38%が毎晩十分な睡眠をとれていると回答した一方、大学卒業者では28%にとどまった。さらに、男性より女性、高齢層より若年層、白人よりラテン系やアフリカ系の人がよく眠れていない傾向も明らかになった。

 CDCは、慢性的な睡眠不足は喫煙や過度の飲酒とも関連があり、うつ病、肥満、高コレステロールなど深刻な健康被害を招く可能性があると警告している。(c)AFP