【10月28日 AFP】視界がぼやけるなどの「前兆」を伴う片頭痛は、脳卒中リスクを倍増させるという研究結果が、28日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に発表された。

 成人の最大20%(うち75%が女性)が片頭痛に悩まされていると言われている。片頭痛はしばしば吐き気を伴い、光や音に対して過敏になるという特徴を持つ。

 そして、片頭痛患者の約3人に1人が、頭痛の直前に、「奇妙な光が見える」「嫌なにおいがする」「頭の中が混乱する」といった「前兆」と呼ばれるものを経験する。

 これまで、片頭痛と脳卒中の関連性を明らかにした研究はあったが、片頭痛のタイプ別の差異やほかの心疾患との関連性については考慮されていなかった。

 米ボストン(Boston)のブリガム婦人科病院(Brigham and Women's Hospital)の研究チームは、こうした空白部分を埋めるため、これまでに発表されている9つの研究結果を精査した。

 その結果、前兆を伴う片頭痛は、血流の減少による脳卒中のリスクを倍増させることがわかった。このリスクは、女性、45歳以下、そして喫煙者で高くなり、エストロゲンを含んだ避妊薬を使用する女性ではリスクをさらに押し上げることも明らかになった。

 ある研究者は、片頭痛患者の大半にとって、脳卒中の絶対リスクは依然として低いままなので、「リスクが倍増するからといってパニックになる必要はない」と話している。

 なお、さまざまなタイプの片頭痛と、心臓発作または心疾患による死亡との相関性は認められなかったとしている。(c)AFP