【10月23日 AFP】2008年の米大統領選で共和党のジョン・マケイン(John McCain)候補の敗北が決まった時、マケイン氏に投票した有権者のテストステロン(男性ホルモン)レベルが著しく低下していたとの調査報告が22日、米科学者グループ「Public Library of SciencePLoS)」発行の医学誌(電子版)に掲載された。

 調査では、163人の男性を対象に唾液を採取し、テストステロンのレベルを調べた。投票日の前夜に採取した唾液では、マケイン氏の支持者も民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)候補(当時)の支持者も、テストステロンのレベルは同じだった。

 ところが、オバマ氏勝利が宣言された時、マケイン氏に投票した男性のテストステロンレベルは低下したという。

 一方、オバマ氏に投票した男性のテストステロンレベルは変わらなかったが、テストステロンレベルは通常、夜には低下することから、結果が判明したのが夜だったことを考慮すると、オバマ氏支持者のテストステロンレベルは上昇していたことを示すと考えられるという。

「政治において選挙は支配力を競い合うものだ。競争に勝利した場合、男性テストステロンレベルは上昇し、通常の24時間周期で低下せずに高いレベルを保つ。一方、競争に負けた場合、テストステロンレベルは低下する」と、研究報告は指摘している。

 研究によると、投票締め切りからオバマ氏の勝利宣言の40分後の期間に、オバマ氏の支持者と比べてマケイン氏、または当選の可能性がなかったリバタリアン党(Libertarian)のボブ・バー(Bob Barr)氏の支持者のテストステロンレベルは大きく減少したという。(c)AFP