【10月14日 AFP】乳幼児が突然死亡する「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の半数以上が、ベッドやソファで親に添い寝されたときに発生していたとする調査結果が、14日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に発表された。

 その親が最近アルコールやドラッグを摂取した場合には、発症の確率が高くなるという。

 SIDSの原因についてはこれまで、うつぶせ寝や柔らかい枕、母親の喫煙などが指摘されてきた。

 多くの先進国では、啓発キャンペーンにより、SIDSの発症が過去20年間で「約800人に1人」から「約2000人に1人」へ、半分以下に減少している。だが、この減少をどうやったら説明できるのか、発症率は社会状況によって異なるのかは謎のままだった。

■ほかの死亡例との比較

 英ブリストル(Bristol)の聖ミカエル病院(St Michael's Hospital)の研究チームは、2003~06年に英国南西部で発生した原因不明の80件のSIDSを調査した。

 チームは、このグループを2つの対照群と比較した。1つは、母親が2人以上の子どもを抱えるシングルマザーで、喫煙習慣もあり、社会的にも貧困な家庭に生まれた「リスクが高い」82人の乳幼児。もう1つは、無作為に選ばれた家庭の87人の乳幼児だ。

 SIDSを発症したグループのうち、親の添い寝中に死亡した例は54%にものぼった。

 研究チームは、「この高い数字は、親の添い寝と、親が最近アルコールやドラッグを摂取したことが強く作用し合ったとすれば、説明がつくかもしれない」としている。

 なお、2つの対照群における死亡例では、子どもと添い寝していたという親は約20%だった。

■SIDSは防げる病気

 調査では、SIDSで死亡した乳幼児のうち、布でくるまれていたのは4人に1人、枕を使用していたのは5人に1人と、いずれも、2つの対照群における死亡例に比べてはるかに高い割合だったこともわかった。 

 また、社会経済的な貧困は、どうやらSIDSの発症要因ではないことも明らかになった。

 研究チームは、「SIDSは、親を教育することで、大いに予防できることがわかった」としている。(c)AFP