【10月7日 AFP】中国政府は6日、チベット(Tibet)自治区で同国初の新型インフルエンザA型(H1N1)による死者が確認されたと発表。感染が拡大する恐れがあるとして注意を促している。

 この事態に対し、中国衛生省はウェブサイト上で発表した声明の中で、4日に初の死者が確認されたことを受け、感染拡大を防ぐため同自治区に20万人分のワクチンを「緊急に」送ったことを明らかにした。

 国営新華社(Xinhua)通信は、同自治区の区都ラサ(Lhasa)からの情報として、新型インフルによる死者は、死亡前日に高熱などの症状で入院した18歳の女性だと報じた。

 中国は前月、全土で新型インフルエンザワクチンの接種を開始し、世界でも最も早く予防接種を開始した国の1つとなった。同国は新型インフルエンザワクチン開発の最前線となっており、すでに複数の製薬企業が開発したワクチンが政府の承認を受けている。だが一方で、中国政府は、ワクチン需要が供給を上回る可能性が高いとの見方を示している。

 中国衛生省は、年内までに全人口の5%にあたる6500万人にワクチン接種を行う計画を明らかにしている。また、前月末には、10月末までに2600万人分のワクチンを備蓄が可能だとの見通しを示した。最終的には1億人分を備蓄する計画ではあるものの、年内には達成できないという。(c)AFP/Dan Martin