【9月29日 AFP】学校で最も人気があり権力を振るっていた子どもは、人気のなかった子どもに比べ、大人になったときの健康状態が良いとする研究結果が、29日の英医学専門誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に発表された。

 スウェーデン・ストックホルム大学(Stockholm University)の研究チームは、1953年生まれの子ども1万4000人を対象に長期の調査を行った。まず、子どもたちが12~13歳になった1966年に、「学校で誰と一緒に共同作業をしたいか」を聞いて子どもたちの社会的な序列を決定し、その後2003年まで、病院の入院記録などから健康状態を追跡調査した。

 その結果、子どものときに評価が低かった人は、心臓病になる確率が9倍高く、糖尿病の治療を必要とする確率も4倍高くなった。精神疾患や行動障害(自傷行為や自殺の試みなど)のリスクも、人気者だったクラスメートに比べて2倍高かった。

 なお、被験者が経験した健康障害はさまざまだったが、上記のようなパターンには男女差がなかった。重要なことは、家族の職業や収入、学歴などでは、こうした結果を説明できないということだ。 

 研究チームは、児童のときの社会的地位はその後の健康に大きく、そして悪い影響を及ぼす可能性があると指摘している。(c)AFP