【9月29日 AFP】珍しい免疫不全症「抗リン脂質抗体症候群」を抱える50歳未満の女性は、通常よりも脳卒中のリスクが43倍、心臓発作のリスクが5倍も高いと、オランダ・ユトレヒト大学医療センター(University Medical Center Utrecht)の研究者たちが発表した。

 英医学専門誌「ランセット・ニューロロジー(Lancet Neurology)」(電子版)に28日に掲載された論文は、抗リン脂質症候群の女性のリスクに焦点をあてたもので、そうしたリスクをもつ人びとの検査や自覚を促す啓発プログラムが必要かどうかといった問題を提起しそうだ。

 抗リン脂質症候群は、抗体が細胞膜に付着し、通常の血液凝固メカニズムを妨げることで起こる。今回のオランダの研究は、脳卒中と心臓発作に対するその影響を初めて調査した。

 研究では、1990~2001年にかけて18~49歳の女性延べ1006人を対象に行われた調査を分析した。被験者はループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant、LA)と呼ばれる抗リン脂質抗体の試験に血液サンプルを提供し、普段のライフスタイルについてアンケートに答えた。
 
 LAは脳卒中を患ったことのある女性では17%、心臓発作経験のある人では3%で見つかったが、健常対照群では0.4%にしかみられなかった。

 LAがあり喫煙する女性では心臓発作のリスクは34倍、LAがあり経口避妊薬を使用している女性では22倍だった。(c)AFP