脊髄まひのラットの運動能力を回復、ヒトへの応用に期待
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【9月21日 AFP】脊髄(せきずい)損傷によるまひがあるラットの運動能力の回復に、スイスの研究チームが成功し、20日の英科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス(Nature Neuroscience)」に発表した。人間にも応用可能だという。
チューリヒ大学(Zurich University )の研究チームは、まひのあるラットに持続的な電気刺激と薬物投与を行った。すると、ラットはまひを発症してから一週間後には、後ろ足でトレッドミル上を歩いたり走ったりできるようになったという。
さらに数週間、理学療法を続けたところ、30分間中断することなく歩いたり走ったりできるまでに回復した。
驚くべきことにラットは、脳から四肢への信号が切断されているにもかかわらず、外部からの刺激に反応して自分の動きを調整していた。たとえばトレッドミルを反転させると、反対側に歩き出したという。
「脊髄の神経経路にも認知処理能力といえる機能があるとみていい。外部環境の変化を察知し、この情報を伝達して筋肉の動きを調節していると考えられる」と、研究を主導したチューリヒ大の教授は指摘する。
これまでの研究で、脊髄の神経経路が脳や感覚器官から独立した筋肉を限定的に動かせることは判明していたが、まひした運動機能をほぼ正常な状態まで回復させるのに成功したのは、今回が初めて。(c)AFP/Marlowe Hood
チューリヒ大学(Zurich University )の研究チームは、まひのあるラットに持続的な電気刺激と薬物投与を行った。すると、ラットはまひを発症してから一週間後には、後ろ足でトレッドミル上を歩いたり走ったりできるようになったという。
さらに数週間、理学療法を続けたところ、30分間中断することなく歩いたり走ったりできるまでに回復した。
驚くべきことにラットは、脳から四肢への信号が切断されているにもかかわらず、外部からの刺激に反応して自分の動きを調整していた。たとえばトレッドミルを反転させると、反対側に歩き出したという。
「脊髄の神経経路にも認知処理能力といえる機能があるとみていい。外部環境の変化を察知し、この情報を伝達して筋肉の動きを調節していると考えられる」と、研究を主導したチューリヒ大の教授は指摘する。
これまでの研究で、脊髄の神経経路が脳や感覚器官から独立した筋肉を限定的に動かせることは判明していたが、まひした運動機能をほぼ正常な状態まで回復させるのに成功したのは、今回が初めて。(c)AFP/Marlowe Hood