【9月16日 AFP】女性の出産年齢が高齢化し、環境汚染が深刻化している中国で近年、出生異常数が急増している。同国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が15日、報じた。

 北京(Beijing)では、新生児1万人につき170人の割合で、先天性心疾患や口唇裂などの身体的異常が見られた。この数字は1997年の2倍近いという。
 
 この報道は、北京市保健当局の統計をもとにしたもので、チャイナ・デーリー紙は診断技術の向上や出産年齢の高齢化が原因ではないかとしている。

 さらに、国営誌「財経(Caijing)」の記事を引用して、環境汚染も原因の1つとなっている可能性があるとしている。

「化学物質や有毒物質の排出が両親の健康に影響を与え、新生児の健康にも影響が出ているのだろう」北京大学(Peking University)リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)研究所のRen Aiguo氏はこう説明している。

 チャイナ・デーリー紙によれば、中国のその他の地域でも出生異常数は増加している。広東(Guangdong)省では、2003年は1万人につき186人だったが、4年後には249人に増加。浙江(Zhejiang)省でも4年間で115人から約2倍の208人に増加している。

 中国全土では現在、年間誕生する2000万人の新生児に4~6%の割合で出生異常が見られるという。(c)AFP