【9月14日 AFP】皮膚に貼る禁煙用ニコチンパッチがかゆみや炎症などを引き起こす原因を解明した論文が、13日の英科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス(Nature Neuroscience)」に掲載された。

 細胞膜を貫通する孔を作りイオンを通す、「イオンチャネル」と呼ばれるタンパク質があるが、ベルギーのルーベン・カトリック大学(Catholic University of Leuven)のカレル・タラベーラ(Karel Talavera)教授らの研究チームは、遺伝子操作でTRPA1というイオンチャネルを持たなくしたマウスを用いて実験を行った。
 
 その結果、皮膚細胞のイオンチャネルがニコチンによって活性化され、免疫システムによる炎症反応を伝え、かゆみや炎症を引き起こしていることが分かった。従来は、感覚神経のニコチン受容体への刺激がかゆみや炎症の原因だと考えられていた。

 タラベーラ教授らは、副作用の少ない禁煙方法の開発につながる成果だと期待を示している。(c)AFP