【9月13日 AFP】これまで病院で見られることが多かったメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureusMRSA)が、米国の海岸で初めて発見されたとの研究結果が12日、米カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)で開かれている「抗菌薬および化学療法に関する学術会(Conference on Antimicrobial Agency and ChemotherapyICAAC)」で報告された。

 MRSAは皮膚化膿疾患や腸疾患を引き起こし、場合によっては致死的な肺炎の原因ともなる。米国内では最近、刑務所、ジムのロッカールーム、一般家庭での発見例が激増している。

 研究の共著者である米ワシントン大学(University of Washington)の微生物学者マリリン・ロバーツ(Marilyn Roberts)氏は会議で、MRSAが海水と海岸の砂から初めて発見されたとする報告を行った。

 報告によると、研究チームが2008年の2月から9月にかけてワシントン州およびカリフォルニア州沿岸にある公共の海岸10か所で海水と砂のサンプルを採取した結果、5か所でMRSAが発見された。通常のブドウ球菌は10か所のうち9か所で見つかった。

 砂浜は感染しやすく、MRSAの感染が拡大する可能性もあるという。たが、ロバーツ氏によれば、海岸へ行くのをやめるほどの危険性はない。衛生に注意して、体に付いた砂はすべて払い、皮膚の切り傷やすり傷は覆っておくなどの単純なことを注意すればMRSAの感染は防げるという。(c)AFP