【8月15日 AFP】中国・国営新華社(Xinhua)通信は14日、同国北部・陝西(Shaanxi)省宝鶏市鳳翔(Fengxiang)県で、鉛中毒の症状を示す児童が600人以上に上っていると伝えた。付近の鉛精製工場が原因とみられている。

 鳳翔県地元当局によると、同県Changqingにある鉛精製工場付近の2つの村に暮らす児童731人のうち、少なくとも615人の血液から基準を上回る鉛が検出された。児童のうち166人が入院し、残りの児童は血液中の鉛量を減らすため自宅で療養中だという。工場周辺のほかの地域でも、児童の検査が開始された。

 当局は12日、鉛精製工場に閉鎖を命じた。新華社によると、工場からの汚染が児童の鉛中毒の原因かどうかはまだ明確になってないという。

 検査を受けた児童からは、血液1リットルあたり100-500ミリグラムの鉛が検出されている。通常は0-100グラムの間とされ、200ミリグラムを超えると危険な状態とされている。鉛中毒は児童の方がより危険で、神経系に害を及ぼす危険性がある。

 工場付近の村に暮らす男性は、9歳の娘から基準値を超える鉛が検出され、14日に入院したと述べた。男性は新華社に対し、「娘は血液1リットルあたり506ミリグラムの鉛が検出された。児童らの中で娘の数値が一番高いので、一生治らない障害を背負うのではないか不安だ」と語った。(c)AFP