【8月11日 AFP】アジアでHIVウイルスに感染している女性のうち、150万人を超える女性が、夫やボーイフレンドなどパートナーから感染しており、さらに5000万人がそうした身近な経路で感染するおそれがあると、国連合同エイズ計画(Joint United Nations Programme on HIV/AIDSUNAIDS)が11日、報告を発表した。

 UNAIDSの報告書によると、ハイリスクな性習慣をもっている男性と結婚していたり、そうした男性と長期的な関係をもっている女性の感染リスクが高いという。

「男性同士の性行為やドラッグ注射、性産業の利用者などがハイリスクの男性だ」と、UNAIDSのリージョナル・ディレクター、プラサダ・ラオ(Prasada Rao)氏は解説する。「これまで各国が見過ごしてきた大きな問題で、しかしこれ以上無視できない課題だ」

 同氏はインドネシアのリゾート地、バリ(Bali)島で開かれている「第9回アジア・太平洋地域エイズ国際会議(International Congress on AIDS in Asia and the PacificICAAP)」に出席している。

 2008年の統計によると、アジアでHIVに感染している全成人のうち女性は35%で、約20年前の1990年の17%から倍増している。

 既婚女性のHIV感染率が高い上位3か国は、カンボジア、インド、タイ。インドネシアでは、同じ男性と長期間のパートナー関係にある女性と、売春を行う女性の両方で広まっている。

「アジアでHIVに感染している170万人の女性の90%超が、夫か長期間つきあっているパートナーにうつされていると推測できる」とラオ氏は警告する。(c)AFP