【8月4日 AFP】米テキサス(Texas)州のメキシコ国境付近で抗インフルエンザ薬「タミフル(Tamiflu)」への耐性を持つ新型インフルエンザA型(H1N1)ウイルスが発見された。汎米保健機構(Pan-American Health OrganizationPAHO)が3日、明らかにした。

 PAHOによると、メキシコとの国境に近いエルパソ(El Paso)とマッカレン(McAllen)近郊で、タミフルへの耐性を示す複数の新型インフル症例が確認され、現在、経過を観察中だという。

 事態をうけ、カリフォルニア(California)州ラホーラ(La Jolla)で同日、タミフル耐性インフルエンザが大流行した場合の対応を協議した医療専門家らは、タミフルを過剰に使用した結果、ウイルスに耐性ができたとみている。

 PAHOのMaria Teresa Cerqueira事務局長は、「米国ではタミフルの購入には処方せんが必要だが、メキシコやカナダでは薬局で簡単に入手できる。このため、鼻水やくしゃみ程度の症状でも、安易にタミフルを服用した結果、肝心なときに効き目を示さなくなってしまった」と説明した。

 タミフルを製造するスイス医薬品大手ロシュ(Roche)によると、臨床試験では0.5%の割合で耐性が確認されることがあるという。

 これまで、米国のほかカナダ、デンマーク、香港(Hong Kong)、日本でタミフル耐性を示す新型インフルエンザウイルスが確認されている。(c)AFP