【7月22日 AFP】世界で初めて両腕移植手術を受けたカール・メルク(Karl Merk)さんが22日、会見を開き、近いうちにバイエルンのビールで手術の成功を祝って「乾杯」ができるようになるだろうと語った。

 1年前に移植手術を行ったメルクさんは、動くようになった腕で手を振ったり、頭をかいたりする様子を披露した。

 メルクさんは、バイエルン風にビールを飲むことができるかと質問され、「今はまだちょっと危険なのでストローで飲んでいるけれど、近いうちにできるようになるよ」と語った。現在は、「基本的に元通りの生活に戻ることができた」という。

 ドイツ南部ミュンヘン(Munich)で酪農業に従事していたメルクさんは、作業中の事故で両腕を失った。移植手術は、ミュンヘン工科大学(Technical University of Munich)付属病院で前年7月25-26日に行われ、医師40人で15時間もの時間がかかった。

 メルクさんは、「最大の夢は、少しだけでも指を動かせるようになることと、自分のことは全部自分1人でできるようになること」と語った。また、「非常に調子は良く、よく妻と犬の散歩に行くよ」と述べ、ささやかな楽しみも再開している様子を語った。

 両腕の移植手術は世界で初だった。夜10時、2つの手術室に5組の医療チームが集合。患者とドナー、それぞれの腕を1チームずつが担当し、5チーム目がドナーの下肢動脈の切除を行った。(c)AFP