【7月17日 AFP】公共の場所での禁煙がブームの日本で、東京の繁華街に出現した全席喫煙のカフェが、愛煙家たちの避難場所として人気を集めている。

「サラリーマンの街」新橋にこのほどオープンした「カフェトバコ(Cafe Tobacco)」には、タバコに火をつけてもしかめ面をされない場所での「一服」を求め、会社員や買い物客が詰めかける。店内のタバコの煙は、天井にある空気清浄機に吸い込まれていく。

 カフェを運営するのは東和フードサービス(Towa Food Service)。この店は、有楽町店に次ぐ2店舗目だ。

 同社取締役常務執行役員の堀口忠史(Tadashi Horiguchi)氏は、タバコを吸うことは最近では悪事のように考えられていると話す。「スモーカーにオアシスを提供したいんです」

 店の赤い看板に表示された「喫煙」マークに魅せられて、客がどんどん入っていく。1日あたり約600人が来店するという。「素晴らしいアイデア」「罪の意識にさいなまれずに済む」と評判は上々だ。店の入口には、「20歳未満の方はご遠慮いただければ幸いです」の張り紙がある。

 だが、こうした店を誰もが歓迎しているわけではない。

 厚生労働省の担当官は、個々の企業の方針に口は出せないとしつつ、「タバコは有害物質を含んでおり、喫煙可能な場所が増えるのはよいことだとは思えない」との見解を表明。

 たばこ問題情報センター代表の渡辺文学(Bungaku Watanabe)氏は、人がタバコを吸うのはそこに灰皿があるからだと話し、こうした店はタバコをやめたいと思っている人のためにはならないだろうと懸念を示している。(c)AFP/Miwa Suzuki