密造酒で122人死亡、インドの密造酒ビジネスとは
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【7月14日 AFP】インド西部グジャラート(Gujarat)州で、密造酒を飲んだ人々が5日から体調不良を訴え始め、11日までに120人以上が死亡した。事件は、貧しい人々に安価で質の悪い酒を提供して大きな利益をあげている「裏稼業」の存在を浮き彫りにした。
今回の犠牲者たちは、大半が労働者で、小さな袋に入った密造酒を1袋あたり2セント(約2円)で購入していた。飲んでから数時間以内に激しい胃のけいれんや嘔吐(おうと)、視力障害など、毒を摂取したとき特有の症状を呈し始め、11日までの数日間で122人が死亡、200人近くが入院した。
インドで長い歴史を持つ「Desi Daru」と呼ばれる地酒はアルコール度数が高く、糖蜜、ヤシの樹液、カシューナッツ、砕いたかんきつ類の果実などから造られるが、これをまねた密造酒は不衛生な環境の中で小さな蒸留器で醸造され、致死性の成分が混ざっていることもある。
警察や保健当局によると、アルコール度数を上げようと、メタノールのような化学物質や酸電池を混ぜる場合が最も危険。発酵を速めるために混ぜられた汚染水や腐った野菜が死を招くこともあるという。
■警察や政治家もグルか?
グジャラート州当局は事件直後、背後関係の調査を命じたが、こうした密造者を一斉摘発しても効果はないとの見方が強い。ある警察関係者によると、逮捕された密造者の多くは下級裁判所の釈放命令をあっせんしてもらい、釈放されるとすぐに密造酒ビジネスに復帰するという。
事件後、同州アーメダバード(Ahmedabad)では、密造者を見てみぬふりをしている、または密造者とともに密造酒製造にかかわっていると警察や政治家に抗議するデモが行われている。(c)AFP/Rupam Jain Nair