【6月3日 AFP】エジプトのハーテム・ムスタファ・ガバリ(Hatem Mostafa al-Gabali)保健相は2日、国営テレビで声明を発表し、米国からエジプトに入国した少女(12)が新型インフルエンザA(H1N1)に感染していたことを確認したと述べた。世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、アフリカで新型インフル感染者が発生したのは初めて。

 この少女は1日、新型インフルエンザの症状がみられたため、カイロ(Cairo)の空港で保健当局によって隔離された。

 この少女は米国とエジプトの国籍を持っており、エジプトで夏を過ごすため母親とともに入国した。母親を含む同じ航空機の残りの乗客に感染者はいなかったという。

 エジプトは入国者の検査を強化しており、ガバリ保健相によるとこれまでに50万人以上を調べたという。同保健相は、感染拡大を防ぐため、サウジアラビアへのイスラム教の巡礼を延期するよう国民によびかけた。
 
 アラブ諸国で最大の人口をもつエジプトは新型インフル予防のため、推定25万頭のブタを殺処分することを決めた。WHOは極端な対策に科学的な意味はないとしているが、これまでに15万頭以上を処分し、その大半が有害廃棄物処分場に埋められたと報道されている。(c)AFP/Samer al-Atrush