【5月22日 AFP】米国全土で再び新型インフルエンザ「インフルエンザA(H1N1)」の感染が拡大しつつあるなか、高齢者の感染者が少ないことから、高齢者には何らかの免疫があるかもしれないと一部専門家が指摘している。

 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)による調査の結果、米国内での感染者のうち、64%以上が5歳から24歳であるのに対し、65歳以上ではわずか1%だったことが判明した。

 これについてCDCの専門家アン・シュチャット(Anne Schuchat)氏は、高齢者が過去に新型ウイルスに似たウイルスに感染したことがある可能性を指摘した。「特に60歳あるいは65歳以上の高齢者は、過去に(インフルエンザに)感染してH1N1ウイルスに対しある程度の免疫を獲得しているか、ワクチン接種を受けている可能性がある」
 
 現在、全世界の新型インフルエンザ感染者数は1万1000人以上、うち死者数は85人に達しているが、その大半が若者であることに各国の保健当局は首をかしげている。

 CDCの調査では、幼児や10代の若者が新型インフルエンザに感染しやすいことが指摘されている。今回のインフルエンザが数ヶ月以内に強毒性となって再流行し始める可能性もあることから、関係当局は強毒ウイルスの襲来に備えている。(c)AFP