【5月20日 AFP】(一部訂正)コーラなどの炭酸飲料を毎日数リットル飲むと、深刻な筋肉障害を発症する場合があると、ギリシャ・イオニア大学(University of Ioannina)などの研究チームが19日、警鐘を鳴らした。

 同大のモーゼス・エリサ(Moses Elisaf)医師を中心とする研究チームは、1日2-9リットルの炭酸飲料を飲んだ患者の症例を検証。その結果、加工糖やカフェインを多く含んだ清涼飲料水を大量に飲むと、血液中のカリウム濃度が急激に下がり、「低カリウム血症」と呼ばれる病気にかかる恐れがあることがわかったという。

 カリウム濃度が少しでも変わると、心臓血管系や筋神経系の機能に多大な影響を与える場合がある。低カリウム血症になると、筋力の低下、筋けいれん、動悸、吐き気などの症状が現れる。より深刻なケースでは、心臓病や重度のまひを引き起こすこともある。

 研究では、血中カリウム濃度が極端に低下して緊急入院した妊娠中の女性2人も検証の対象となった。1人は疲労や食欲不振、吐き気を訴え、もう1人は筋力低下が見られたが、筋力低下の女性は過去10か月間にわたって1日最大7リットルのコーラを飲んでいた。コーラを飲むのをやめ、カリウムの経口摂取または静脈投与を行ったところ、2人とも速やかに全快したという。

 研究チームは、コーラなどの炭酸飲料に含まれるグルコース、フルクトース、カフェインなどの過剰摂取が、低カリウム血症の原因である可能性を指摘している。研究結果は、6月発行の医学誌「International Journal of Clinical Practice」で発表される。

 研究によると、2007年の世界の清涼飲料水の消費量は5520億リットル。1人当たりに換算すると年83リットルとなり、2012年までには95リットルまで増加すると見込まれている。(c)AFP