【5月19日 AFP】世界保健機関(WHO)は18日、新型インフルエンザ「インフルエンザA(H1N1)」の警戒水準を最高度の「6(世界的大流行、パンデミック)」に引き上げることをめぐり、慎重な姿勢を見せた。日本や米国での感染が拡大し、ニューヨーク(New York)では学校関係者がウイルスに感染して死亡している。

 WHOのマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長はWHOの年次総会で、「嵐の前の静けさ」に直面しているものの、警戒水準は現行の「フェーズ5」のまま維持するとした。日本で新たな感染例が確認され、フェーズ6への引き上げ間近との憶測がでていた。

 一方、WHO当局者らは、感染が最初に確認された米大陸以外の国で、海外渡航者との直接の接触がない感染が長く続けば、パンデミックを宣言することになるとの見方を示した。

 日本の感染者は163人に上っているが、大半は神戸と大阪に集中している。当局は感染速度は速く、実際の感染患者は数百人に上っている可能性があるとの見方を示している。舛添要一(Yoichi Masuzoe)厚労相は、兵庫と大阪だけの問題ではなく、感染は全国に広がっていると考え、迅速に行動する必要があるとの方針を示した。(c)AFP