【5月13日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が発表した日本時間12日午後3時現在のデータによると、世界で新型インフルエンザ「インフルエンザA型(H1N1)に感染した人は合計で5251人になった。

 WHOによると感染確認者が最も多いのは米国の2600人。メキシコが2059人でそれに続いている。 南北アメリカ大陸以外でもっとも感染者が多いスペインでも新たに2人の感染が確認され同国の感染者は100人になった。12日にはキューバの首都ハバナ(Havana)でメキシコ人学生1人、タイとフィンランドで2人ずつの感染がそれぞれの国で初めて確認された。

 コスタリカで新型ウイルス感染者の死亡が初めて確認され、WHOが確認した死者は61人になった。

 しかし米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)の専門家も参加しているWHOの研究チームは、メキシコの感染者数は2万3000人に上ると推計している。米国の保健当局者も、確認された米国内の感染者数は氷山の一角にすぎないと述べた。

■ロシュはWHOにタミフルを寄付

 スイスの大手製薬会社ロシュ(Roche)は12日、WHOに565万人分のインフルエンザ治療薬タミフル(Tamiflu)を寄付すると発表した。しかしWHOのある専門家は新型インフルエンザウイルスはタミフルに耐性を獲得しつつあると指摘した。

■二次感染が進めば隔離も難しく

 中国政府は12日、米国から四川(Sichuan)省の省都・成都(Chengdu)に帰国し、感染が確認されて入院した男性(30)と接触した人の追跡と隔離を進めている。北京(Beijing)市の保健当局者は隔離したなかには外国人78人も含まれると語った。

 しかし前週、中国で初の感染確認者が滞在したホテルを8日までの1週間にわたり閉鎖した香港(Hong Kong)の保健当局者は、国内での二次感染が本格化すると隔離などの水際対策は意味をなさず、実行もできなくなってくると指摘した。(c)AFP/Hui Min Neo