【5月6日 AFP】5年前に夫から散弾銃を発砲されて鼻、口蓋、下まぶたなどを失い、米国初の顔面移植手術を受けたコニー・カルプ(Connie Culp)さん(46)が5日、米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)の病院で記者会見した。

 カルプさんは前年12月、クリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)で、死亡した女性のドナーの遺体から顔の約8割を移植する手術を受けた。手術は11人の外科医チームにより、22時間にわたり行われた。顔面移植は当時、世界では4例目だった。

 カルプさんは事件の2か月後、この病院の医師から治せないかもしれないが、トライしてみると言われたという。「その5年後、彼は自分がトライすると言ったことをやり遂げたんです。私は鼻も取り戻したんですよ」と笑いながら話した。

 手術前は、自力で食事や呼吸ができない状態だったが、術後は機能を回復した。だが顔が腫れていることもあり、発話はときどき困難だという。

 記者会見ではカルプさんが負傷した経緯は説明されなかったが、地元メディアはカルプさんの夫が2004年、至近距離からカルプさんを銃で撃ったあと自殺を試みたが失敗し、禁固7年の刑を受けたと報じている。

 自分の顔を見た大人がぞっとした表情をしたり、子どもが逃げ出したりといったつらい経験を持つカルプさん。会見で「あなたと違う顔だからといって、人を見かけで判断しないで」と訴えた。(c)AFP