【5月3日 AFP】グラス半分のワインまでならば、少なくとも男性では、毎日飲む人のほうが寿命が最高5年長いが、これはきっかり「1日グラス半杯」までであることが肝心だという研究結果が30日、英医学専門誌「Journal of Epidemiology and Community HealthJECH)」に発表された。

 研究したオランダ・ワーヘニンゲン大学(Wageningen University)のチームは、「ワインの飲用は冠状動脈性心臓病や脳血管疾患、そのほかあらゆる原因による死亡リスクの軽減と強い関係がある」という。

 しかし、その影響の出方はさまざまで、アルコールの種類には関係なく毎日20グラムのアルコール(ビール中ビン1本、日本酒1合)を摂取する男性は、アルコールをまったく飲まない人に比べ、約2年長生きだという結果が示された一方で、毎日20グラムを超えて飲酒する人の寿命は、20グラム以下の人よりも若干短かった。

 また、ワインだけを飲む人に限り、しかも1日の飲酒量がグラス半分までの人の寿命は、ビールやスピリット類を飲む人に比べて約2.5年、まったく飲まない人に比べては約5年長いとの結果が出た。

 これらの結果は、調査対象となった人の社会的・経済的地位や食習慣、ライフスタイルなどによる違いはみられなかった。

 発表は1960年から2000年にかけて1373人の男性を対象に行われた調査に基づいたもので、この調査では被験者が飲むアルコールの量や種類を尋ね、循環器系疾患や脳血管疾患などの疾患と飲酒習慣の関係を調べようとした。アルコール以外では、体重の変化や食習慣、喫煙歴なども追跡調査した。女性に関しては結論が出されていない。(c)AFP