【4月28日 AFP】イスラエルのヤコブ・リッツマン（Yakov Litzman）保健副大臣は27日、ユダヤ教で食べることを禁じられている「豚」という言葉を口にしなくてすむよう、「豚インフルエンザ」という名称を変更すると発表した。

　ユダヤ教超正統派の政党、ユダヤ教連合（United Torah Judaism）のリッツマン保健副大臣は「豚インフルエンザという呼称を避けるため『メキシコ・インフルエンザ(Mexican flu)』という呼称を用いる」と述べた。

　大半のイスラエル人が信仰しているユダヤ教は豚を食べることを禁じている。イスラエルのアラブ人の大半が信仰しているイスラム教も同様に豚を食べることを禁じている。

　イスラエルではまだ豚インフルエンザの発生は確認されていないが、24日にメキシコから帰国した26歳のイスラエル人男性が入院し、検査結果を待っている。最近メキシコから帰国した別の男性は27日、のどの痛みを訴え病院で検査を受けた後、隔離されている。

　国際獣疫事務局（World Organisation for Animal Health、OIE）は27日、今回のウイルスの起源は豚だけでなく鳥やヒトにもあるため、「豚インフルエンザ」という名称は正確な名称ではないとの見解を示している。(c)AFP