【4月13日 AFP】「職場における昇進は健康に悪い」とする、英ウォリック大学(University of Warwick)の研究者らによる研究結果が、10日発表された。

 同大の経済学・心理学の研究者らは、「昇進」は自己評価を高め、健康の増進につながるとの仮定をたて、1991-2005年に昇進を経験した英国人1000人を対象に調査を行った。ところが、昇進と健康増進との関連性を示す証拠は、まったく見られなかった。

 それどころか、昇進後には精神的緊張が10%増加し、体調不良でも病院に行く時間が20%減少していた。また、重要な役職への昇進によって、より強い精神的ストレスを感じるようになることも明らかになったという。

 研究に関わった研究者の1人、クリス・ボイス(Chris Boyce)氏は、「昇進は、人びとが想像するほどには素晴らしいものでもないようだ。研究では特に管理職において、長期にわたる精神衛生の悪化がみられた」と指摘。昇進後は医師を訪れる回数が減少しているのは多忙によるもので、むしろ懸念すべき状況だと話した。(c)AFP