【3月27日 AFP】熱々のお茶を飲むと食道がんのリスクが高まるとしたイランの科学者による研究結果が、27日付けの英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に掲載された。

 これまで、喫煙や飲酒と食道がんとの関連は指摘されているが、今回の研究結果によって、熱い飲料が喉の組織を損傷し発がんリスク要因となり得る可能性が示された。

 テヘラン医科大学(Tehran University of Medical Sciences)の消化器系疾患研究センターの研究チームは、食道がんの罹患率が高いゴレスタン(Golestan)州で、のどに腫瘍があると診断された300人と、健常者571人を対象に、調査を実施した。お茶の摂取量の多いことで知られるゴレスタン州では、1人あたり1日平均1リットル以上の紅茶を飲んでいる。一方、喫煙や飲酒の習慣は低い。

 結果、65-69度のお茶を飲む被験者グループは、65度以下でお茶を飲む被験者よりも、食道がんの罹患率が2倍高いことが分かった。さらに、70度以上のグループでは、罹患リスクは8倍に高まった。

 テヘラン医科大の研究結果について、英医学専門誌「ランセット(Lancet)」、極めて高温の液体は、喉の上皮層を損傷し、発がんリスクにつながっている可能性があるとする論評を掲載した。

 一方で同誌は、人びとが好むお茶の温度の平均は56度から60度なので、パニックになる必要はないとしている。(c)AFP