【3月13日 AFP】体調不良を訴える客が続出したため、自主的に営業を停止していた英ロンドン(London)郊外の三つ星レストラン「ファット・ダック(Fat Duck)」が、12日のランチタイムから営業を再開した。オーナーシェフ、ヘストン・ブルーメンタール(Heston Blumenthal)氏の広報担当を務めるモニカ・ブラウン(Monica Brown)氏が同日、AFPに明らかにした。

 ロンドン西方の街、ブレイ(Bray)にある「ファット・ダック」はフランスの高級レストランガイドブック「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で三つ星を獲得している世界有数の高級レストランだが、前月24日、同店で食事をした客40人あまりが体調不良を訴えたため、自主的に営業を停止した。その後、この件がメディアで報道されると、体調不良を訴える人びとが相次ぎ、当初の10倍の400人にまで膨れ上がった。

 原因については、英健康保護局(Health Protection AgencyHPA)が現在も調査中で、数週間内に最終報告書が発表される予定だ。

 ブラウン氏は、「わかっていることは、『ファット・ダック』は100%安全だということ」と自信を示したうえで、「食中毒の形跡も皆無で、『ファット・ダック』は想像の域を超えるほど清潔なレストラン」と強調した。

 今回の営業停止による同店の損失は、15万ポンド(約2070万円)を超えるとみられるが、ブラウン氏によると、再開を前にして同店の予約はすでに一杯だという。

 「ファット・ダック」の名物料理は、カタツムリのポリッジ(おかゆ風料理)、窒素スクランブルエッグとベーコンのアイスクリームなど。(c)AFP