【3月4日 AFP】全米各地で流行している悪性のインフルエンザは、つい最近まで最も効果があるとされていた治療薬に対して耐性をもちつつあることが、米内科学会誌「Journal of the American Medical AssociationJAMA」で2日に発表された報告書の中で明らかになった。

 報告では、一般的なインフルエンザA(H1N1)のウイルスが、最もよく知られる治療薬であるオセルタミビル(Oseltamivir、商品名:タミフル、Tamiflu)に対し、耐性をもっていることが明らかになったという。

 オセルタミビルは、スイスの医薬品大手ロシュ(Roche)が製造しているもので、市場で販売される中心的な抗ウイルス薬として知られる。

 だが、2007-08年にかけてのインフルエンザ流行期、米国のインフルエンザの5件に1件がタミフルに耐性をもつウイルスによるものだったという。

 2008-09年にかけてのインフルエンザ流行期の予備データによると、タミフルに耐性をもつウイルスの割合は引き続き高まっており、このウイルスへの感染も広がっているという。

 また、同時に懸念すべきことは、このウイルスの病原性だ。前年のデータによると、タミフルに耐性をもつこのウイルスに感染した99人のうち、5人が入院し、そのうち4人が死亡しているという。(c)AFP