【2月19日 AFP】米フロリダ(Florida)州裁判所の陪審は18日、米たばこ会社フィリップ・モリス(Philip Morris)に対し、肺がんで死亡した男性の妻らに賠償金計800万ドル(約7億5000万円)を支払うよう命じる評決を下した。同州では同様の訴訟が約8000件あり、今回の裁判は他の訴訟に影響する可能性がある。

 この男性は、1997年に55歳で亡くなった。妻は、総額1億3000万ドル(約120億円)の賠償を求めていたが、陪審は、男性が1日に3箱も吸っていたヘビースモーカーであったことにも責任があるとして、これを却下した。

 同陪審は、9時間の審議ののち、損害賠償として妻に200万ドル(約1億8700万円)、息子に100万ドル(約9340万円)、懲罰的賠償金として500万ドル(約4億6700万円)を支払うようフィリップ・モリスに命じた。評決は、同州最高裁判所の2006年の判例にならったものだ。たばこによる健康被害への集団訴訟で、裁判所はたばこ会社に対し、損害賠償としては過去最高の1億4500万ドル(約135億円)の懲罰的賠償命令を下している。

 フィリップ・モリスは上訴する方針を明らかにした。(c)AFP