【1月29日 AFP】鳥インフルエンザなど、あらゆるタイプのインフルエンザに有効な万能ワクチンを、日本の政府機関や大学・企業の研究者らによる産学協同チームが開発した。

 国立感染症研究所(National Institute of Infectious Diseases)、北海道大学(Hokkaido University)、埼玉医科大学(Saitama Medical University)とバイオ化学・日油(NOF)の研究員が参加する開発チームが、ワクチンを人の遺伝子を組み込んだマウスに接種したところ、インフルエンザウイルスが変異した場合でも効果があることを確認した。

 現在、インフルエンザ治療に使われているワクチンは、ウイルスの表面を覆っているタンパク質から作られているが、このタンパク質は変異しやすく効果が薄れる場合がある。

 国立感染症研究所の内田哲也(Tetsuya Uchida)氏によると、新たに開発したワクチンは、ほとんど変異しないウイルス内部の共通タンパク質を基準としているため、従来のインフルエンザのウイルスに加えて、懸念が高まっているH5N1型鳥インフルエンザなどの変異ウイルスにも効果が期待できるという。

 新ワクチンには「Aソ連型」「A香港型」に加え、強毒性のH5N1型鳥インフルエンザのウイルスが用いられた。

 今後は、さらに動物実験で人への安全性を確認後、臨床実験が必要で、新ワクチンの実用化にはまだ数年を要するという。(c)AFP/Miwa Suzuki