【1月14日 AFP】仕切りのないオープンスペースのオフィスレイアウトの場合、そこで働く従業員はストレスにさらされやすく、風邪をひきやすく、生産性が低い――。オーストラリアの研究チームが、このような研究結果を医学誌「Asia-Pacific Journal of Health Management」に発表した。

 モダンなオフィスデザインが人に与える影響については、世界中で研究が行われている。批評家のVinesh Oommen氏らが調査した結果、こうした研究の90%が、オープンレイアウトのオフィスが心身に悪影響を及ぼしていることを指摘している。

 総合すると、ストレスやもめ事の多さ、血圧の上昇、離職率の高さは、すべてオープンなレイアウトと関連しているという。

 Oommen氏によると、こうしたオフィスで働く従業員は、プライバシーやアイデンティティーの欠如、低い仕事効率、さまざまな健康不安、過剰刺激、仕事への低い満足度といった数々の問題と直面することになる。

 例えば、ライバルでもある同僚たちがパソコンで何をしているのかが気になり、電話で何を話しているのか聞き耳を立てるなど、従業員は絶えず不安感にさいなまれるようになる。また、騒音があると集中力が低下し、ひいては生産性も下がる。従業員同士が近接して座っているため、もめ事も多くなる。電話の呼び出し音でさえイライラの原因になる。さらに、病原菌の移動が容易なため、インフルエンザなどの病気はあっというまにまん延してしまう。

 Oommen氏は「オープン・プラン式は最大で20%もコストを削減できると言われているが、それ以上に、従業員のさまざまな社会的・精神的ニーズに応えるための配慮がされるべきではないか」と提言している。(c)AFP