【12月11日 AFP】10日発表された、米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)が毎年行っている国民健康調査「National Health Interview SurveyNHIS)」で、米国では成人の約40%、子どもの12%が、補完代替医療(CAM)を利用していることが明らかとなった。

 CAMは、従来の診療ではなく、ハーブ系サプリメント、瞑想(めいそう)、カイロプラクティック、鍼(はり)などを利用した治療法のこと。2007年版NHISでは初めて、17歳以下の子どもに関してもCAM利用について調査を行った。

 調査対象は成人2万3000人、および対象となる子どもの親9400人で、健康状態と利用している治療法について質問した。

 治療法については、米国で一般的に利用されているCAMの治療法のうち、鍼やカイロプラクティックなど施術者が行う治療法10種類、ハーブ系サプリメントや瞑想など施術者を必要としない治療法26種類の計36種類が挙げられた。

 調査の結果、成人の全体的な利用率については、CAMに関する調査が初めて実施された02年の36%と比べて、07年は38%とほとんど変化はなかった。

 一方、07年の調査では、深呼吸訓練、瞑想、マッサージ、ヨガなど、特定の治療法の利用者が「大幅に増加」していたことが分かった。

 たとえば成人では、魚油(オメガ3、ドコサヘキサエン酸)、グルコサミン、エキナセア、亜麻仁油(オイル、錠剤)、高麗人参などの天然成分が含まれた製品を使用した人が17.7%と最も多く、続いて深呼吸訓練(12.7%)、瞑想(9.4%)、カイロプラクティックまたは整体(8.6%)、マッサージ(8.3%)、ヨガ(6.1%)などが多く利用された。

 CAMを利用したことのある12%の子どものうち、魚油(オメガ3、ドコサヘキサエン酸)または亜麻仁油などの自然成分が含まれた製品を使用したとの回答が最も多く(3.9%)、以下、カイロプラクティックまたは整体(2.8%)、深呼吸訓練(2.2%)、ヨガ(2.1%)と続いた。

 また、利用者の構成については、02年同様、成人では男性より女性が多く、高齢になるほど増え、さらに高学歴者に利用が多いことが明らかとなった。

 調査を開発した米国国立補完代替医療センター(National Center for Complementary and Alternative MedicineNCCAM)のジョセフィン・ブリッグス(Josephine Briggs)所長は、「今回の統計で、米国ではCAMが治療法の1つとして頻繁に利用されていることが確認され、またそのような治療法の安全性と効果に関する詳しい調査が必要であることが改めて確認された」とし、さらに「患者と医療提供者は、安全で計画的な治療法を確立するため、CAMについて公けに議論する必要があることを統計は示している」と述べた。(c)AFP