【11月24日 AFP】(一部更新)インクジェット方式の印刷技術を使って作る世界初のカスタムメイド人工骨が、日本で臨床試験段階に入っている。成功後は、事故で欠損した骨を、数時間以内で人工的に作製することが可能になるという。

 この人工骨「CT-Bone」は、株式会社ネクスト21(Next 21、本社:東京)が、東京大学の高戸毅(Tsuyoshi Takato)教授率いる同大学医学部附属病院の研究チームと共同で開発したもの。コンピューター断層撮影法(CT)の画像データに基づいて患者にフィットした人工骨を作製する。原理はインクジェット・プリンターで用紙印刷をするのと同じ。骨の成分であるリン酸カルシウム粉末の厚さ0.1ミリメートルの層に、硬化液(成分の80%以上は蒸留水)を吹き付けて再結晶化させ、これを繰り返すことで意図した形状の人工骨を作製する。

 骨が欠損した場合、骨を移植するかセラミックで欠損部分を補うのが、これまでの一般的な治療法だった。
 
 臨床試験は、10か所の病院で、成人計70人を対象に2年間にわたり実施される予定で、3-4年以内の実用化が期待されている。(c)AFP