【10月6日 AFP】乳製品の化学物質メラミン汚染問題で中国政府は5日、中国全土で牛乳などを対象とした新たな検査を行った結果、メラミン混入の形跡は発見できなかったと発表した。また、この問題で被害を受けた酪農業者などに補償を約束するなど、事態の沈静化に躍起になっている。

 北京晨報(Beijing Morning Post)によると、検査は伊利(Yili)、蒙牛(Mengniu)、光明(Guangming)など乳製品大手を含む75ブランドの液状の乳製品600サンプルを対象に、国家品質監督検験検疫総局(General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine)が行ったもので、問題発覚以来、乳製品の検査としては6度目。

 当局は、メラミンは中国各地の数千か所におよぶ牛乳収集施設で混入されたと見ている。こうした収集施設は、比較的新規に参入した業者が多く、満足な監督を受けていないことが多いという。

 一方、海外では製品回収の動きが拡大している。

 香港(Hong Kong)当局は4日、英製菓メーカー大手キャドバリー(Cadbury)の2種類のチョコレートからメラミンが検出されたと発表した。そのうち1種類のデイリーミルク・ヘーゼルナッツチョコレート(Dairy Milk Hazelnut Chocolate)からは、基準の22倍以上のメラミンが検出されたという。

 ミャンマー当局もメラミンで汚染された粉ミルク16トンを処分するとともに、国民に対し、中国製の牛乳や乳製品を摂取しないように呼びかけた。

 南米ガイアナでは4日、中国製乳製品が店頭から撤去された。韓国当局も、中国で製造された菓子大手マーズ(Mars)と食品大手ネスレ(Nestle)の計3製品を店頭から撤去するよう命じた。また、オーストラリアでも、4品目となる中国製乳製品にメラミン汚染が発覚し、販売中止が決まった。(c)AFP/Peter Harmsen